その一方で、「自分の会社や店を作りたい」と強く思っている高校生は2割にもなりません。
これらの愚かな政策は、日本経済の閉塞感を強め、意図せぬ結果として、デフレ・プレッシャーを再び育み、インフレを封じ込める役割を一時的に果たすことになっています。
問題は、この意図せぬマクロバランスが崩れることはないのか、ということです。
残念ながら、グレーゾーン金利の撤廃や建築基準法の改正がもたらしているデフレ圧力は、無視できるほど軽微なものではありません。
現状を見ると、景気循環的には、いざなぎ景気を超えて転換点を迎えてもよい局面にあるにもかかわらず、国内消費が盛り上かっていません。
そういう中でのマイナス・インパクトですから、不良債権問題の重しがかなり軽くなっても、デフレ的な様相はしばらく続くような気もします。
しかし、BRICS諸国の成長に伴って、原油価格が100ドル近くになるなど過去最高の水準に達していますし、その他の原材料も軒並み値上がりしています。
食糧も同様に価格水準を上げており、中期的な円安傾向もあって、日本の輸入物価は前年比で一割増という状況になってきました。
カップラーメン最大手のNが17年ぶりの値上げを公表したり、Kもマヨネーズの価格を17年ぶりに改定するなど、消費の現場における値上げ交渉が本格化してきています。
小麦粉も大幅に値上がりしたため、値上げに踏み切るラーメン屋もでてきました。
この状況下で、大幅な円安が進んだ場合には、過剰流動性が存在しているだけに、愚かな政策によるデフレ圧力が残存する中でも、コストプッシュの圧力が勝って、インフレが発生するかもしれません。
そうなると、不況とインフレが共存するスタグフレーションになってしまう可能性があるのです。
わたしは予想屋ではありませんから、「あと5年以内にスタグフレーションが日本を襲う」などと断言するつもりはありません。
テレビ番組で流暢に解説するエコノミストのように、毎年の景気のアップダウンを当てるつもりもありません。
未来を予想する占い師でもなければ、不安を煽りたてて群集を動かそうとするアジテーターでもありません。
わたしは実務家です。
最悪のことが起こっても、そのとき、うろたえることがないようにあらかじめ準備しておくべきだというのが、わたしの基本スタンスです。
スタグフレーションが起こる可能性を完全に否定することができず、かつ、万が一そうなった場合のダメージがあまりにも大きいのであれば、何かしら事前に対策を講じておいたほうがいいというのが、わたしの考え方です。
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